2024/12/20
犬や猫が頻繁に体を掻いたり、舐めたりしていることはありませんか?それはかゆみや皮膚トラブルのサインかもしれません。これらの原因はアレルギーや寄生虫など多岐に渡りますが、適切なケアを行わないと症状の悪化に繋がる可能性があります。
今回は犬や猫のかゆみや皮膚トラブルについて、原因や症状、対処法などをご紹介します。
■目次
1.犬や猫のかゆみと皮膚トラブルの原因
2.代表的な症状
3.もしものときの応急処置と対処法
4.してはいけないNG行為
5.ご家庭ですぐにできる対処法
6.動物病院を受診すべき症状と目安
7.まとめ
犬や猫のかゆみと皮膚トラブルの原因
そもそもかゆみは、どのようなメカニズムで生じるのか。
かゆみは、皮膚に刺激が加わることで体内に反応が起こり、ヒスタミンやサイトカインといった、炎症を引き起こす物質が放出されることで発生します。これらが皮膚の神経を刺激することで、その信号が脳に伝わり「かゆみ」として認識されます。
かゆみの原因はさまざまですが、中でも代表的なものは以下です。
<寄生虫(ノミ・ダニなど)>
外での散歩や他の動物との接触が多い場合に発生しやすいです。
<アレルギー>
食物アレルギーや花粉などの環境要因によるものがあり、季節的に症状が悪化することがあります。高温多湿となる夏に調子が悪くなるタイプの子もいます。
<感染症>
疥癬や糸状菌症(皮膚カビ症)など、細菌や真菌が原因で起こります。
代表的な症状
皮膚トラブルの代表的な症状は紅斑(皮膚の赤み)、痂疲(かさぶた)、湿疹、脱毛です。体の部位別に多く見られる症状は以下の通りです。
<顔>
目の上の赤みや脱毛、口周りの赤みがよく見られます。また、耳の周りの毛が薄くなってしまうことも多いです。アレルギーやアトピー体質の子に多く見られますが、疥癬や糸状菌症も顔に症状が現れやすいです。
<体幹>
細菌性皮膚炎による湿疹は、背中全体やおなかに多く見られます。また、脇や内股など目立たないところにできていることもあるため要注意です。
<手の裏、足の裏>
肉球の間が赤くなり、頻繁に舐めていることがよく見られます。この状態は「指間皮膚炎」と呼ばれ、特にアレルギーやアトピー体質を持つ子に発症しやすい傾向があります。
皮膚トラブルの多くはかゆみを伴うことが多いですが、特に疥癬や毛包虫症(通称ニキビダニという寄生虫による皮膚病)はかゆみが強いです。強いかゆみを放置すると、掻き壊してしまったり、掻き傷から細菌感染を起こしてしまったりと症状が複雑化してしまう恐れがあります。そのため、1日に何度も掻く仕草が見られる場合は、早めに獣医師に相談しましょう。
もしものときの応急処置と対処法
愛犬や愛猫にかゆみが見られますが、すぐに病院へ連れていけない場合は以下の手順で応急処置を行いましょう。
①体にノミやダニがいないか確認してください。発見した場合はブラッシングで取り除き、ノミダニが飛散しないように隔離しましょう。
②皮膚に赤みや湿疹がある場合はぬるま湯で優しくシャンプーし、清潔に保ちましょう。
③エリザベスカラーや服を着せ、掻き壊しを防ぎましょう。
これらはあくまで応急処置です。赤みの広がりや湿疹の増加など悪化が見られる場合はすぐに動物病院へ連れて行きましょう。
してはいけないNG行為
<市販薬の使用>
適切な効果が得られないことが多く、皮膚をさらに荒らしてしまう可能性があります。寄生虫感染が疑われる場合は、動物病院で駆虫薬を処方してもらうことをお勧めします。
<人間用の薬を塗る>
人間用の薬は成分が動物に適していないため、悪化するリスクがあります。
<過去の薬の再利用>
原因に合った治療が必要なため、症状が異なる場合には使用しないでください。
ご家庭ですぐにできる対処法
皮膚トラブルを未然に防ぐためには、以下のような日頃のケアが欠かせません。
<衛生管理>
定期的に掃除機をかけ、空気清浄機などを使用してアレルゲンを減らす。
<適切な食事と運動>
栄養バランスの取れた食事を与え、ストレス軽減のために体を動かす時間を確保する。
<グルーミング>
定期的なグルーミングにより、毛や皮膚の汚れを取り除き、毛玉を防ぐ。
<スキンケア製品の選択>
犬や猫の皮膚状態に合ったシャンプーや保湿剤を選ぶ。
乾燥肌の場合:保湿機能の高い製品を選びましょう。
脂漏症の傾向がある場合:脱脂効果のある製品を使用しましょう。
動物病院を受診すべき症状と目安
以下のケースに当てはまる場合は、即座に病院を受診しましょう。
・赤みや腫れが1日で急速に広がる
・膿や血液が出ている
・1日中激しく体を掻きむしったり舐めたりしている
・夜間眠れないほどのかゆみ
・急激な脱毛
特に膿や血液が出ている場合は、重症なケースが多いため要注意です。また、脱毛は皮膚だけでなく内分泌疾患(ホルモンの病気)の場合があるため、こちらも注意しましょう。
これらの症状を放置すると、二次感染による全身状態の悪化や、かゆみによるQOLの低下により、活力が低下してしまうことがあります。
そのため、動物病院では経過や症状の聴取を行い、必要に応じた皮膚検査や血液検査を行い原因を調べます。ただし、皮膚症状は見た目だけでは判断がつかないことが多いため、しっかりと検査を行うことが大切です。
まとめ
犬や猫のかゆみや皮膚トラブルは、さまざまな原因が考えられます。
放置すると掻き壊しや二次感染を引き起こし、状態の悪化に繋がることがあります。そのため、症状の早期発見と正しいケアにより、愛犬や愛猫の健康を守りましょう。
気になる症状が見られたら、早めに動物病院を受診することが大切です。
栃木県小山市
地域に根差した細やかな対応と最良の獣医療サービスを提供する動物病院
小山レリーフ動物病院
0285-36-3233
当院の診療案内はこちら
お問い合わせ内容の入力はこちら