2024/08/20
人間には害がなくても、犬や猫にとっては中毒を起こす可能性のある食べ物や植物が多くあります。なかにはすぐに対処しないと命に関わるケースもあるため、身近な中毒リスクや中毒症状、対処法など中毒について正しく知ることが大切です。
今回は犬や猫の身近な中毒リスクと対処法についてご紹介します。
■目次
1.犬猫に危険な身近な食べ物
2.植物による中毒(異物誤飲)リスク
3.中毒(異物誤飲)が疑われる時の対処法
4.中毒(異物誤飲)事故を防ぐための日常的な対策
5.まとめ
犬猫に危険な身近な食べ物
身近にあるもので犬や猫に危険な食べ物には、以下のようなものがあります。
<チョコレート>
チョコレートには「テオブロミン」や「カフェイン」といった、犬や猫が中毒を起こす成分が多く含まれています。そのため、チョコレートを大量に摂取すると、食べてから数時間後に嘔吐や下痢、興奮、痙攣、ふらつきなどの症状がみられ、重度の場合は昏睡状態に陥り、命を落とすこともあります。
<ネギ類>
犬や猫が玉ねぎやニンニクなどのネギ類を摂取すると中毒を起こします。食べてから数時間〜数日後に嘔吐や下痢、貧血(粘膜の色が白くなる、ふらつく)などの症状がみられ、赤い色の尿がみられることもあります。
<ブドウ>
犬や猫がブドウやレーズンなどを食べると、数時間後に嘔吐や下痢、腹痛などの症状が現れ、急性腎不全を発症することがあります。
<キシリトール>
主に犬にみられる中毒で、キシリトールを食べてしまうと30分〜1時間以内に低血糖状態に陥り、ふらつきや傾眠(異常に眠くなること)などがみられます。また、その数時間後には肝臓が影響を受け、貧血や黄疸などの症状もみられることがあります。
植物による中毒(異物誤飲)リスク
犬や猫が食べ物以外にも身近な植物を食べてしまうことで、中毒を起こすことがあります。
<観葉植物>
観葉植物の誤飲は、室内で起こりやすい中毒事故です。
以下のような植物は、誤って口にしてしまうと中毒を起こすことがあります。
・ポトス、モンステラ:口内炎、皮膚の炎症、発熱
・ソテツ:嘔吐、下痢、肝不全、腎不全
・アロエ:嘔吐、下痢、腎不全
そのため、室内に観葉植物を置く場合は愛犬や愛猫の手が届かない場所に設置しましょう。
<庭植物>
外遊びをする場合にも、気をつけるべき植物がたくさんあります。
ユリで中毒を起こすことをご存じの方は多いと思いますが、チューリップやあじさい、アサガオ、クリスマスローズなど季節の花にも中毒を起こすリスクがあるため、四季を通じて注意が必要です。
中毒(異物誤飲)が疑われる時の対処法
犬や猫が何をどれだけ誤飲したのかによって症状は異なりますが、ほとんどの場合、嘔吐や下痢といった消化器症状、大量のヨダレがみられるケースが多いです。
また、すでに中毒症状が現れている場合、対処が遅れると状態がさらに悪化してしまいます。そのため、万が一中毒が疑われる症状がみられた場合は、一刻も早く動物病院を受診することが大切です。その際、到着後すぐに救急対応をしてもらえるよう、あらかじめ病院へ電話をして状況を伝えておきましょう。また、電話越しに応急処置の指示が合った場合は従うようにしてください。
中毒(異物誤飲)事故を防ぐための日常的な対策
異物誤飲を防ぐためには、室内環境を整備することが何よりも大切です。中毒を起こす可能性のあるものや誤って飲み込んでしまう可能性があるものは、犬や猫が届かない場所に置きましょう。また、食事の準備中も盗み食いをされないよう、別の部屋に移動させたり、クレートやサークルなどに入れたりして、準備が終わるまで待ってもらうようにするとより安心です。
また、外出時も注意が必要です。お散歩をする場合は拾い食いなどをしないよう、リードを短く持ったり、草むらなどに顔を突っ込ませないようにしたりしましょう。日頃から「待て」や「出せ」などのしつけを覚えさせることもお勧めです。
まとめ
室内では環境を整え、拾い食いをさせないように訓練するなど、愛犬や愛猫を中毒のリスクから守ることが大切です。しかし、異物誤飲は事故なので、どんなに気をつけていても完全に防ぐことは難しいでしょう。
万が一中毒が疑われる症状がみられた場合は直ちに動物病院を受診するようにしましょう。
栃木県小山市
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小山レリーフ動物病院
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