高齢の犬や猫の健康管理|獣医師が教える4つの生活改善ポイント - 小山レリーフ動物病院|栃木県小山市城東で診療を行う動物病院

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年齢を重ねた犬や猫は、若い頃とは異なる健康上の変化が見られるため、適切なケアが欠かせません。高齢になると、食欲の変化や運動量の低下、関節の痛みなどが起こりやすくなります。そのため、飼い主様が日常的に健康状態をチェックし、年齢に合った管理をしてあげることが大切です。

今回は、高齢の犬や猫の健康管理について、年齢ごとの健康管理ポイントや日常で実践できるケア方法などを詳しく解説します。



■目次
1.高齢の犬や猫に起こりやすい健康上の変化
2.年齢別の健康管理ポイント
3.日常生活でできる健康管理方法
4.動物病院での健康診断について
5.よくある質問(Q&A)
6.まとめ


高齢の犬や猫に起こりやすい健康上の変化

高齢の犬や猫には、年齢とともに以下のような健康上の変化が現れます。

<行動の変化>
食欲の低下、睡眠時間の増加、活動量の減少が挙げられます。以前は食事の時間を楽しみにしていた犬や猫が、食事に対する興味を失ったり、昼間でも長時間眠ることが増えたりすることがあります。また、散歩や遊びへの意欲が低下し、動きがゆっくりになることもあります。


<身体の変化>
関節の痛みや視力・聴力の低下が起こることがあります。特に犬では関節炎が、猫では腎臓病や甲状腺機能亢進症が発症しやすい傾向があります。また、毛並みがパサついたり、皮膚の弾力が失われたりすることも見られます。これらの変化は徐々に進行するため、飼い主様が早い段階で気付き、適切な対応を取ることが重要です。


年齢別の健康管理ポイント

犬や猫の老化のスピードは個体差がありますが、一般的に犬は7歳以上、猫は11歳以上から高齢期とされています。それぞれの年齢に応じた健康管理のポイントは、以下の通りです。

<成犬・成猫期(5〜7歳)の管理ポイント>
この時期はまだ若々しく、特に大きな健康上の問題は見られないことが多いですが、シニア期に向けての準備が必要になります。

・ 定期的な健康診断を受け、病気の早期発見を心がける(年に1回が目安)
・ 食事の栄養バランスを整え、適正体重を維持する
・ 適度な運動を行い、筋力を維持する

この段階でのケアが、シニア期に入ってからの健康状態に大きく影響します。


<高齢期初期(8〜10歳)の管理ポイント>
この時期からは、加齢に伴う変化が徐々に現れ始めます。関節のケアや消化機能のサポートが重要になります。

・ 健康診断の頻度を増やし、1年に2〜3回受診する
・ 関節に負担をかけない環境を整える(滑りにくい床材の使用や、段差を減らす工夫をする)
・ 消化しやすいフードに変更し、胃腸の負担を減らす

また、視力や聴力の低下が見られる場合は、室内の環境を変えずに安心して過ごせるよう配慮することも大切です。


<高齢期後期(11歳以上)の管理ポイント>
この時期には、より慎重な健康管理が必要です。老化の進行を遅らせ、快適に生活できる環境を整えましょう。

・ 健康診断を定期的に受け、病気の早期発見に努める
・ 消化しやすい高齢犬・猫向けのフードに変更する
・ 運動量を調整し、無理のない範囲で体を動かす
・ 認知症の初期症状に注意し、異変を感じたら獣医師に相談する

シニア期後半は、犬や猫の体調の変化がより顕著になります。日々の観察を大切にし、少しの異変も見逃さないようにしましょう。


日常生活でできる健康管理方法

高齢の犬や猫の健康を守るために、日常生活では以下を行いましょう。

<適切な食事管理>
高齢期には消化しやすく、栄養バランスの取れた食事を選ぶことが大切です。シニア向けのフードを活用し、必要に応じて獣医師と相談しながら調整しましょう。


<適度な運動>
散歩や遊びを通じて、無理のない範囲で体を動かす習慣を続けましょう。関節の負担にならないよう、ゆっくり歩く散歩や室内でのおもちゃ遊びを取り入れるのがおすすめです。


<温度管理を徹底する>
高齢の犬や猫は暑さや寒さに敏感です。室温は22℃前後を目安に調整し、快適な環境を維持しましょう。特に夏場は熱中症に、冬場は冷えによる体調不良に注意が必要です。

犬と猫の熱中症のリスクと予防についてはこちらから


<スキンシップを増やす>
撫でたり話しかけたりすることで、ストレスの軽減や認知症予防に役立ちます。また、スキンシップを通じて体の異変にも気づきやすくなるため、積極的に触れ合う時間を作りましょう。


動物病院での健康診断について

高齢の犬や猫の健康を維持するためには、定期的な健康診断が欠かせません。年に1〜2回の受診を目安にし、病気の早期発見・予防に努めましょう。

また、かかりつけ医を持つメリットとして、愛犬や愛猫の病歴や体質を理解した獣医師から適切なアドバイスを受けられる点が挙げられます。日頃から相談しやすい動物病院を見つけておくと安心です。

犬と猫の健康診断の必要性についてはこちらから


よくある質問(Q&A)

Q:年齢によってフードの量は調節するべき?
A:はい。高齢になると代謝が落ちるため、フードの量や種類を見直すことが大切です。月に1回は体重を測定し、必要に応じて調整しましょう。


Q:認知症の初期症状とは?
A:夜鳴き、徘徊、トイレの失敗などが見られることがあります。異変に気づいたら、早めに獣医師に相談しましょう。


Q:高齢になると温度に敏感になる?
A:はい。快適な温度を保ち、寒暖差による体調不良を防ぎましょう。


Q:運動は必要?
A:適度な運動は健康維持に重要ですが、無理をさせないよう注意が必要です。


まとめ

高齢の犬や猫の健康は、日々のケアが大きく影響します。
年齢に応じた適切な食事や運動、定期検診を習慣化し、愛犬や愛猫が健やかに暮らせるように心がけましょう。


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