2025/04/10
犬や猫をなでているとき、「首や脇にしこりがあるかも」と感じたことはありませんか?触れてみても痛がる様子はなく、元気も食欲もいつも通りだと「きっと大したことはないだろう」と思ってしまうこともあるかもしれません。
しかし、こうしたしこりの中には、「リンパ腫」という病気が関係していることがあります。リンパ腫は犬や猫によく見られる悪性腫瘍(がん)の一種で、見た目や触り心地だけでは判断できません。特に高齢になるほど発症のリスクは高まりますが、初期の段階ではほとんど症状が出ないこともあるため、飼い主様が小さな変化に気づくことが大切です。

今回は、2部構成で犬や猫のリンパ腫について解説します。前編では、リンパ腫とはどのような病気なのか、どんな症状が出るのかを中心に、早期発見のポイントもご紹介します。
【後編】犬や猫のリンパ腫が見つかったら?|診断・治療の流れと飼い主様ができること
犬や猫では比較的よく見られる病気のひとつで、特に犬では悪性腫瘍の中でも発症率が高いとされています。また、リンパ腫は放置すると全身に広がってしまう可能性があるため、早期発見と適切な治療が重要です。
・首や脇の下に痛みのないしこりができる
・食欲が急に落ちる
・元気がなくなり、寝ている時間が増える
・体重が減少する
・嘔吐や下痢が続く(特に猫に多く見られる)
・呼吸が荒くなる
・目の充血や白濁が見られることがある
これらの症状が続く場合は、早めに動物病院を受診することが大切です。
犬や猫の嘔吐の原因と対処法についてはこちらから
犬や猫の下痢の原因と対処法についてはこちらから
このほかにも、消化器にできる「消化器型」、皮膚に症状が現れる「皮膚型」、胸の中にしこりができる「縦隔型」、脳や脊髄にできる「神経型」などがあり、それぞれで症状が異なります。
たとえば、消化器型の場合は下痢や嘔吐が続く、皮膚型では皮膚が赤くただれたり、かゆがったりすることがあります。
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・食欲不振
・嘔吐や下痢が続く
・便が柔らかくなる、血が混じることがある
・お腹が張る
また、猫のリンパ腫は「猫白血病ウイルス(FeLV)」や「猫免疫不全ウイルス(FIV)」との関連が指摘されており、これらのウイルスに感染している猫は、リンパ腫を発症しやすい傾向があります。
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・首や脇の下、膝の後ろなどをやさしく触り、しこりがないか確認する習慣をつける
・食欲や体重の変化、排泄の様子、元気の有無などを日々観察して記録する
・「なんとなく元気がない」「最近よく吐くようになった」などの小さな異変でも、気になったら早めに動物病院へ相談する
A:リンパ腫は感染症ではないため、他の犬や猫にうつることはありません。ただし、猫の場合は猫白血病ウイルス(FeLV)や猫免疫不全ウイルス(FIV)との関連があるため、ワクチンの接種や定期的な検査を検討するとよいでしょう。
また、日常のちょっとした変化に飼い主様が気づいてあげることが、愛犬・愛猫の健康を守る第一歩です。気になることがあれば、迷わず動物病院に相談しましょう。
次回の第2部では、リンパ腫の診断方法や治療の選択肢、生活のサポートについて詳しくご紹介します。大切な家族の一員である犬や猫と、これからも健やかに過ごしていくために、ぜひ後編もご覧ください。
【後編】犬や猫のリンパ腫が見つかったら?|診断・治療の流れと飼い主様ができること
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しかし、こうしたしこりの中には、「リンパ腫」という病気が関係していることがあります。リンパ腫は犬や猫によく見られる悪性腫瘍(がん)の一種で、見た目や触り心地だけでは判断できません。特に高齢になるほど発症のリスクは高まりますが、初期の段階ではほとんど症状が出ないこともあるため、飼い主様が小さな変化に気づくことが大切です。

今回は、2部構成で犬や猫のリンパ腫について解説します。前編では、リンパ腫とはどのような病気なのか、どんな症状が出るのかを中心に、早期発見のポイントもご紹介します。
【後編】犬や猫のリンパ腫が見つかったら?|診断・治療の流れと飼い主様ができること
■目次
1.リンパ腫ってなに?
2.犬や猫のリンパ腫によく見られる症状
3.犬の場合の特徴
4.猫の場合の特徴
5.飼い主様ができる早期発見のコツ
6.よくある質問(Q&A)
7.まとめ
リンパ腫ってなに?
リンパ腫とは、リンパ球という体を守る細胞ががんになる病気です。リンパ球は免疫をつかさどる白血球の一種で、細菌やウイルスなどから体を守る重要な働きをしています。これはリンパ節や脾臓、骨髄などに存在していますが、このリンパ球が異常に増えてしまうと、リンパ腫と呼ばれる悪性腫瘍へと変化します。犬や猫では比較的よく見られる病気のひとつで、特に犬では悪性腫瘍の中でも発症率が高いとされています。また、リンパ腫は放置すると全身に広がってしまう可能性があるため、早期発見と適切な治療が重要です。
犬や猫のリンパ腫によく見られる症状
犬や猫のリンパ腫は、発生する部位によって症状が異なります。ただし、日常生活の中で飼い主様が比較的気づきやすいサインもあります。以下のような症状が見られた場合は、注意が必要です。・首や脇の下に痛みのないしこりができる
・食欲が急に落ちる
・元気がなくなり、寝ている時間が増える
・体重が減少する
・嘔吐や下痢が続く(特に猫に多く見られる)
・呼吸が荒くなる
・目の充血や白濁が見られることがある
これらの症状が続く場合は、早めに動物病院を受診することが大切です。
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犬の場合の特徴
犬のリンパ腫で最も多く見られるのが「多中心型リンパ腫」というタイプです。これは、体の複数のリンパ節が同時に腫れるタイプで、首や脇の下、膝の後ろなどにしこりが現れることが多く、短期間で急速に大きくなるのが特徴です。このほかにも、消化器にできる「消化器型」、皮膚に症状が現れる「皮膚型」、胸の中にしこりができる「縦隔型」、脳や脊髄にできる「神経型」などがあり、それぞれで症状が異なります。
たとえば、消化器型の場合は下痢や嘔吐が続く、皮膚型では皮膚が赤くただれたり、かゆがったりすることがあります。
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猫の場合の特徴
猫のリンパ腫は、「消化器型リンパ腫」が最も多く、胃や腸に腫瘍ができるのが特徴です。このタイプでは、以下のような症状がよく見られます。・食欲不振
・嘔吐や下痢が続く
・便が柔らかくなる、血が混じることがある
・お腹が張る
また、猫のリンパ腫は「猫白血病ウイルス(FeLV)」や「猫免疫不全ウイルス(FIV)」との関連が指摘されており、これらのウイルスに感染している猫は、リンパ腫を発症しやすい傾向があります。
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飼い主様ができる早期発見のコツ
リンパ腫は、早期発見することで治療の選択肢が広がります。日々のスキンシップや健康チェックの中で、以下のようなポイントを意識してみてください。・首や脇の下、膝の後ろなどをやさしく触り、しこりがないか確認する習慣をつける
・食欲や体重の変化、排泄の様子、元気の有無などを日々観察して記録する
・「なんとなく元気がない」「最近よく吐くようになった」などの小さな異変でも、気になったら早めに動物病院へ相談する
よくある質問(Q&A)
Q:リンパ腫は他の犬や猫にうつりますか?A:リンパ腫は感染症ではないため、他の犬や猫にうつることはありません。ただし、猫の場合は猫白血病ウイルス(FeLV)や猫免疫不全ウイルス(FIV)との関連があるため、ワクチンの接種や定期的な検査を検討するとよいでしょう。
まとめ
リンパ腫は、犬や猫によく見られるがんの一種で進行が早く、早期発見が重要な病気です。首や脇の下のしこり、食欲不振、体重減少などの症状が見られることがあります。特に猫では消化器型リンパ腫が多く、嘔吐や下痢が続くことが特徴です。また、日常のちょっとした変化に飼い主様が気づいてあげることが、愛犬・愛猫の健康を守る第一歩です。気になることがあれば、迷わず動物病院に相談しましょう。
次回の第2部では、リンパ腫の診断方法や治療の選択肢、生活のサポートについて詳しくご紹介します。大切な家族の一員である犬や猫と、これからも健やかに過ごしていくために、ぜひ後編もご覧ください。
【後編】犬や猫のリンパ腫が見つかったら?|診断・治療の流れと飼い主様ができること
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